・現状ロボットは「人(脳+身体)の代替」として作られようとしているけど、AIが人間の脳を代替できるようになるにはあと15年くらいかかると思う。
これは段階が必要だと思う。まず「人の脳+ロボットの身体」の組み合わせで人の身体を拡張するためにRoboticsを活用するべきだと思う。
・テレイグジスタンスロボットが可能にする「人の身体の拡張」とは、①事実上の瞬間移動と、②目的に応じた身体の大きさ/機能/外見の切り替えの2つ。
・「人間の身体を拡張させる用途」でテレイグジスタンスロボットの身体が普及すると、人間が乗り移っている際に見たものや感触、3次元の動きが全てデータとして取得できるようになる。これはAIにとっての”教師ありデータ”になる。
・脳の拡張・代替としてのAIは、スパコン等の処理能力向上の延長線上にボトルネックがあるのではなく、「インターネットで取得できるデータの範囲」にこそボトルネックがある。これは現状インターネットにつながっているものがせいぜいPCやスマホで、取得できるデータが限られているから。
・脳の拡張/代替を担うAIから見た”テレイグジスタンスロボット”とは、脳機能(AI)を向上させるデータ収集のためのインターフェイスになると思う。
・つまり、以下の3ステップの順番こそが「人(脳+身体)の代替としてのロボット」の実現を可能にすると思う。
①人類の身体を拡張する用途のテレイグジスタンスロボットが世に普及する
②ロボット経由で3次元のデータが大量に取得できるようになり、AIの教師ありデータが増えることでAIの性能が急速に向上する
③テレイグジスタンスロボットに脳機能(AI)をアプリケーションとして後からインストールする
・生物の歴史を振り返ると当たり前のことだけど、人類の脳は5感の刺激によって発展してきた。これは脳機能(AI)と身体(ロボット)でも同じで、身体があるから脳機能が発達する。
・日本は「脳の拡張や代替」の分野では既に勝算はほぼ無いと思うけど、「身体の拡張や代替」の分野ではまだまだ先行している研究分野やセンサー電子部品企業の世界における高いシェア等の明確な強みもあるため、後者に注力した方がいいと思う。