成長矢印

起業して会社を成長させるのに必要なこと

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久しぶりに個人ブログを書きます。

起業に向けて本格的に行動を起こして約2年、 実際に会社を興して約半年経ちました。
実際に行動に移した結果、たくさんの失敗や反省がありました。同時に、実際に行動に移したからこそ見えてきたこと、わかったことがいっぱいあります。
そして、まだ自社が成長軌道にのれているわけでは全くありませんが、行動に移したからこそ少しずつ実感した、”起業して会社を成長させるのに必要なこと” について書こうと思います。

起業して会社を成長させるのに必要なことはもちろんたくさんあると思います。理念への情熱、戦略構築力、試行錯誤力、人を見る目、人から助けてもらえる力…挙げればきりがないほどたくさんあると思います。しかし、今回はあくまで市場・事業選択とビジネスモデル構築の観点から、 見過ごされがちだが必ず押さえなくてはいけない2点に絞って書きたいと思います。

起業して会社を 成長させるには、会社の成長に併せて、まず0を1にするのに必要なことと、1を100にしていくのに必要なことがあります。

①0を 1にするのに必要なこと
「成長する市場」の中で、「求められる事業」をすること

②1を100にしていくのに必要なこと
天才ではない、普通の人が頑張ってサービスを提供した結果、お客様が喜んでくれて、成長するのに必要な利益額を結果的に生み出せ続ける「仕組み」を創ること

①は起業の成功確率を左右する最も重要な要因だと思います。成熟した市場でイノベーションを起こすサービスを提供するようなベンチャーでない限り、急成長する市場へ飛び込んでニーズが顕在化しているサービスを提供した方が、0を1にできる可能性は100倍高くなると思います。

②について、天才であったり、卓越しているプレイヤーが自らサービスを提供する場合、②のような仕組みがなくても事業としてまわることはあると思います。しかし、それではそのプレイヤー自身がサービスを提供出来る範囲までしか事業は成長しません。会社として事業を成長させたければ、普通の人(※極めて例外的な能力を持つ人を天才、それ以外の人を普通の人と定義しています)がお客様のために頑張った結果、継続して成長するのに必要な利益額が最終的に残る「仕組み」が絶対に必要です。
考えるとすごく当たり前のことですが、起業においてこの②ができていないために、頑張り続けた結果疲弊して数年で潰れてしまうベンチャー も多いように思います。

②についてもう少し詳細に説明します。
0が1になり、ひとまず事業が回りだした際に考えておくべきことが2つあります。
1つは、現時点でビジネスモデルとして成り立つ事業になっているかという点、2つ目はそのビジネスモデルは普通の人でも成り立つかという点です。

1つ目の、現時点でビジネスモデルとして成り立つ事業になっているかという点について考える際は、ひとまず事業が回りだした段階で、そのサービスを提供するのにかかっている工数・費用に対し、継続して成長していくのに必要な”利益額”が最終的に残っているかを検証する必要があります。

まず、サービスを提供して結果的に利益を生むには、ざっくり分けて以下の4ステップが必要です。(※業界やサービスによっては異なるところもあると思いますが、一般的なプロセスを例として説明します)
ステップ1:ターゲットに対し営業活動をして見込顧客に合う
ステップ2:見込顧客に提案活動をした結果顧客になる(成約する)
ステップ3:顧客にサービスを用意し、提供する
ステップ4:アフターフォローをする

上記4つのステップは市場・提供するサービス・各ステップの自社の方法によってかかる「工数」と「費用」が異なってきます。
そして、1件注文を受け、サービスを提供するのに(上記4つのステップを一回まわすのに)それぞれのステップでどのくらい工数と費用が必要なのかを計算します。
例えば、1人の社員が100社に対して新規営業を行い、そのうち10社が見込顧客となり、最終的に1社と成約してサービスを提供した場合、以下それぞれのステップで工数と費用がかかります。

ステップ1:100社に新規営業して10社の見込顧客を特定するのに必要な工数・費用
ステップ2:10社の見込顧客に提案活動をした結果1社顧客になる(成約する)のに必要な工数・費用
ステップ3:1社の顧客にサービスを用意し、提供するのに必要な工数・費用
ステップ4:1社の顧客にアフターフォローをするのに必要な工数・費用

新規営業した結果見込顧客になる割合、見込顧客に提案活動した結果顧客になる割合は非常に重要で、市場の特性や営業方法などによっても変動しますが、既に事業をある回していれば平均値が取れると思います。この割合に基いて計算した結果、1回ステップをまわす(=1件成約してサービスを提供する)のにかかっている4つのステップの全ての工数・費用に対して、最終的に生み出される利益額が成長し続けるのに必要な最低限の利益額を上回っているかを計算すれば、そもそもビジネスモデルとして成り立つ(=上記ステップをまわした結果、成長するのに必要な利益額が残る)事業なのか検証できます。

ニーズがあるからと言ってビジネスモデルを組み立て、数値を想定し、いけると思って実際に事業をはじめた後この計算をしてみた結果、どんなに頑張っても成長するのに必要な利益額を残せないビジネスモデルだとわかった、ということもあると思います。これは私も経験しましたが、確かなニーズの手応えを感じたとしても、自社の事業として成り立つ(=上記ステップをまわした結果、成長するのに必要な利益が残る)かどうかは不確定要因が多すぎて、実際にやってみないとわからないことがたくさんあります。だからこそ弊社では、本当にニーズがあるかどうか、ニーズがあったとしてビジネスモデルとして成り立つかどうかを検証する”試行錯誤力”を重視しています。

2つ目の、そのビジネスモデルは普通の人でも成り立つかについて考える際は、上記ビジネスモデルで設定している数値や割合が、普通の人がやっても出せる数値や割合となっているかを検証する必要があります。
新規営業した結果見込顧客になる割合、見込顧客に提案活動した結果顧客になる割合は、普通の人がやっても達成可能な範囲内の割合か?
各ステップで割ける工数は、普通の人が頑張って割ける工数の範囲内か?

上記検証をした結果、現時点では成り立つビジネスモデルになっていたとしても、それが特定の人の能力に依存した数値や割合になっている場合(例えば、極端に営業力のある人が1人で営業をやっていて、新規営業した結果見込顧客になる割合と見込顧客に提案活動した結果顧客になる割合が引き上がっている場合や、極端に長時間働く人が1人でやっていて、長時間やっているからこそ成り立っているような場合)、その事業はとりあえず立ち上がったかもしれませんが大きく成長していきません。例外的な能力に依存するビジネスモデルになっていればいるほど、同じ能力を持つ人を増やしていくしか成長できなくなり、そしてたいていの場合そんな都合良く人は増えていきません。
だからこそ、事業を大きくしていきたければ、ビジネスモデルの全ての数値が普通の人が頑張って出せる範囲内の数値である必要があり、それでは成り立たない事業であれば、それは成長するビジネスモデルではなかったことになります。

例外的な能力やスキルを持つ人たちで、普通の人が結果を出し続けることができる仕組みを創ることが会社を興すということなのかもしれません。

 

今回は起業して会社を成長させるのに必要なことを、市場・事業選択とビジネスモデル構築の観点から書きましたが、上記①と②のどちらもできる起業家なんてそうそういないと思います。
また、②については、実際多くの起業家が”自分がすごいと思われたい”という欲求を動機とし、”自分だからできたと周りから思われること”を目指して頑張っているため、”普通の人が回せる仕組みを作って頑張る”ことは軽視されがちであるように思います。
しかし、もし自分の真の目的が”自分がすごいと思われること”ではなく、”理念を達成するために会社を成長させること” であるなら、この仕組みは必ず必要になります。

余談ですが、起業に限らず、どうしても達成したい目的がある時、その目的を達成する可能性を高める最も有効な方法は、”自分が達成したと周りから思われたいという願望を捨てること”だと思います。自分がやったと思われなくても良いのであれば打つ手は無限になり、目的達成のために一緒に頑張ってくれる人も無限に増えます。


一気に書いたので読みにくいところや定義が曖昧な箇所もあるかと思いますが、備忘録として書いているこのブログが他の誰かにとっても少しでも有用なものとなれば幸いです。

中ノ瀬

 

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