命日

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本日(2/1)は私の母の7回目の命日にあたります。
  
母は営業の仕事をしながら、女手1つで兄と私を育ててくれました。
しかし、母は母の実家の宗教が嫌で若い頃家を飛び出したことで頼れる親戚もおらず、文字通りいのちを削って育ててくれていたんだと思います。
 
大学を卒業した後私は就職して東京に引っ越し、兄も就職で名古屋に引っ越したため、母は大阪の実家で1人で暮らしており、よく週末に電話で近況報告をしていました。
兄と私を社会に送り出した直後の、私が社会人1年目の冬の1/31、私はその日の夜電話をかけたのですが、つながりませんでした。
母はそれ以前から少し精神的に不安定になっていて、なんとなく嫌な予感がして何度かかけなおしてみたのですが、やはりつながりませんでした。
一瞬大阪の実家に行ってみようかとも思いましたが、次の日も会社で、当時1年目だったこともあり、電話がつながらなかったくらいで休むのは気が引けて、翌日朝にまた電話をかけようと思いました。
次の日の早朝に警察から電話があり、母が2/1の深夜(早朝)に首を吊って亡くなったと連絡を受けました。
 
自ら命を絶った理由は色々あると思います。兄と私に宛てた遺書も書き残してくれました。ただ、最大の理由は兄と私を育て上げることに自分のいのちを削り、自分の人生全てをかけてくれて、兄と私が社会に出た時、やり終えたと感じたのではないかと思います。
 
私は電話がつながらずに嫌な予感を感じた時、すぐに新幹線やタクシーに乗って駆け付けていれば止めることができたのではないかと何千回も考えてきました。これからも何万回も考えると思います。

 
私は今、実質的な瞬間移動を実現させるものを作っています。いつでもどこからでも、人が分身ロボットに乗り移ることで特定の場所に瞬時に駆けつけることができるものです。
決してこの体験があったから作っているというわけではなく、あくまでエンジニアとして作っていて最高に楽しいから、起業家として極めて大きな可能性を感じるからやっていることですが、他にも作って面白いものや可能性があるものはたくさんある中で私がこの領域に取り組み続けるのは、自分のこうした体験が影響しているかもしれないなと最近よく感じています。

 
あれから7年経ちました。行ってみたかった色々な国に行き、うち3つの国に住みました。学生の頃から興味のあった起業も今2回目の挑戦をしています。子供の頃から好きだったものづくりは今も毎日のようにしています。
色々な国に行ったり色々な挑戦をする中で、たくさんの素晴らしい人達に出会いました。私のような極端な性格の人間を応援してくれたり、一緒に挑戦してくれたり、多くの時間を共にしてくれたりしています。
大変なことも多いですが、毎日ドタバタ楽しく過ごしています。

 
自分のいのちを尽くして何かをやり遂げる親の姿は、今の自分に多くの影響を与えています。
私は清廉潔白な人間でもないし、欠点の多い人間ですが、最後の時、自分にとって重要なことをやり遂げることができたと胸を張って報告できる人生を送りたいと思っています。
 

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