会社を作ると節税になる?

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私の大好きな本、ロバート・キヨサキ著「金持ち父さん貧乏父さん」の中に、「会社を作って節税しろ」という金持ち父さんからの教えがあります。
この教えによると、会社を設立すると合法的に税の負担を減らすことができるといいます。
これはどういうことでしょうか?

金持ち父さん貧乏父さん
ロバート キヨサキ シャロン・レクター(公認会計士) 白根 美保子
4480863303

まず、金持ち父さんによると、そもそも税金という制度は「金持ちを罰するために課す制度」であったといいます。
ところが、政府がどんどん巨大化していき、金持ちからの徴収では足りなくなってしまい、税金制度の設立を指示した中流階級、最後には全ての国民にまで税が課さるようになったそうです。
そして、当初の課税対象であった金持ち達は、税の負担を減らす法律の抜け道を見つけました。それが「会社」です。
では、なぜ会社を設立すると税の負担が減るのでしょうか?

この点については、橘玲著「貧乏はお金持ち」で詳細に扱っています。

貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する (講談社プラスアルファ文庫)
橘 玲
406281417X

橘玲さんは、会社を利用した節税のことを「貧乏によってお金持ちになる」と表現しています。これは、税務上では所得は無い(貧乏)が、財務上では所得がある(金持ち)状態になることを指しています。
では、そもそも税務と財務は何が異なるのでしょうか?

まず、企業会計には税務会計と財務会計の二種類があります。
税務会計とは納税のための会計であり、法人所得を計算するための基準を設けています。
それに対して、財務会計は会社の経営状態や価値を判定するための会計であり、会計上の収支を表しています。

つまり、「貧乏によってお金持ちになる」とは、納税させるための税務会計上で会社を見た時は課税対象となる所得は存在しないように見えるのに対し、会社の経営状態を判定するための財務会計上で会社を見ると所得がちゃんとある状態に見える、ということになります。
この会計上の見え方の違いによって税の負担が減ることになります。
しかし、このようなことが本当に可能なのでしょうか?

この会計上の見え方の違いが生じる最大の原因は、個人の家計の一部を会社の会計に含めることができる点にあります。
例えば、よく経営者の方が勘定をする時領収書をきってもらっていますが、これは個人の支出を会社の経費とすることで、支出の一部を課税対象となる所得から控除させているのです。
こうして、実際には個人が自由に使っているお金を会社が事業で支出したお金に見せることで、税の負担を減らすことができます。
さらに、課税対象となる所得に対しても、わざと会社を赤字にさせることで税の負担率を減らすことができます。
また、会社にかかる税率は、一定以上の所得の場合は個人にかかる税率よりも少ないため、ここでも税の負担を減らすことができます。

このように、「会社」を利用すれば様々な方法で税の負担を減らすことができます。
ただし、節税の範疇でこのような制度を利用することは実質的には問題ありませんが、これが脱税にまで及ぶと国税庁との戦いになり、場合によっては刑事処分もあり得ますので、よく勉強して賢く税の負担を減らす必要があります。

最後に、前回の記事「今後の日本の労働社会」で、今後日本ではフリーエージェントが増加していくと書きましたが、フリーエージェントが増加していくにつれ上記で紹介した「会社」を利用した節税も増加していくようになると思われます。
節税をする人が増えるということは国家の税収が減るということですので、いずれこの「会社」を利用した節税への規制も強化される(税の負担が増える)ようになるでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。
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