本日、国内大手人材系企業の副会長の講演を伺う機会がありました。
その講演の中で、副会長は経営者(マネージャー)のやるべきことについて以下のように仰っていました。
経営者のやるべきことは2点ある。①従業員に明確な目標を持たせること、②資源を活用することである。
①について、P.F.ドラッカーの「マネジメント」にも同じ内容の記述があります。
マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則
P・F. ドラッカー 上田 惇生
「マネージャーたるものは、上は社長から下は職長や事務主任にいたるまで、明確な目標を必要とする。目標が無ければ混乱する。目標は自らの率いる部門が上げるべき成果を明らかにしなければならない。」
では、一体なぜ明確な目標が必要なのでしょうか?
この点については、同書で下記のように述べています。
「目標管理の最大の利点は、自らの仕事ぶりをマネジメントできるようになることにある。自己管理は強い動機づけをもたらす。」
それぞれの役割に応じた目標を設定することで、全ての社員が自分の達成すべき成果を知り、かつ責任が与えられることで成果を達成する上での自らの仕事を管理できるようになり、その状態こそが強い動機づけをもたらすと述べています。
そもそもマネージャーとしての仕事は、それ自体からは何も新しい価値を創り出すことができないように思います。直接新しい価値を創り出すのはあくまでもプレーヤーとしての仕事であり、マネージャーとしての仕事はプレーヤーとしての仕事を最大化させるためにこそあるように思います。
それゆえ、明確な目標を設定し、従業員に強い動機づけを起こさせることこそマネージャーの果たすべき仕事であるように思います。
②について、同じくP.F.ドラッカーの「マネジメント」に以下のような記述があります。
「経営資源を手に入れ、それを利用することは第一歩にすぎない。それらの経営資源を生産的なものにすることが課題である。あらゆる企業が、物的資源、人材、資金という3つの経営資源について生産性の目標を設定しなければならない。同時に、生産性全体についての目標を設定しなければならない。」
これによると、資源を活用するとは人、物、金を生産性という基準で測り、目標を設定し、その達成を目指すことであると述べています。
つまり、上記②の「資源を活用する」とは、上記①の「従業員に明確な目標を持たせる」ことの上位概念にあたり、上記①はより具体的な資源(人材)の活用の仕方を述べている、という関係になります。
上記でも述べた通り、マネージャーとしての仕事はそれ自体では何ら新しい価値を生み出さないように思います。むしろ、企業の資源である人、物、金が自ら高い生産性を出して新しい価値を創り出すように導くこと、これこそがマネージャーとしての仕事であるように思います。
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