私が新卒で入社した外資系コンサルティングファームの新人研修ではよく、物事について考える時は、その本質を見極めろ、と言われました。物事の本質とは「要するにどういうことか?」という問いの答えに当たるものであるそうです。
では、どうすれば物事の本質を見極めることができるのでしょうか?
この点について、苫米地英人著「洗脳を解けば、人生はすべてうまくいく」に興味深い記述があります。
洗脳を解けば、人生はすべてうまくいく
苫米地 英人
この本では、まず私達が生活している空間を物理空間と情報空間に分けています。物理空間とは、私達が5感で感じられる現実世界そのものを言います。情報空間とは、人間の心が生み出してる世界を言います。そして、この物理空間より上の情報空間に私達を束縛する仕掛けがされているというのです。
これはどういうことでしょうか?
まず、情報空間の1つである言語空間は言葉の情報による空間ですが、言語は文字を生み、文字は数字を生み、数字は貨幣を生みました。
そして、私達の社会はこれらの情報をうまく扱える者が扱えない者を支配する社会になっています。このことは、私たちは実質的にこれらの情報によって支配され、束縛されていることを意味しています。
では、これらの情報による束縛から解放される方法はあるのでしょうか?
この点について著者である苫米地さんは、束縛から解放されるには抽象度を上げることが必要である、と述べています。
例えば2次元平面で生活するアリは、人間の靴が上から落ちてきても(3次元から力が加わっても)何が起こったか解らないように、1つ上の次元や概念から加えられた力を下の次元や概念に存在するものは認知できない、と言います。
そのため、私達は上の次元や概念に上がる必要があり、これを可能にするのが抽象度を上げる、ということであると言います。
抽象度を上げるとは、例えば柴犬とチワワとプードルを見た時、1つ抽象度を上げるとそれは「犬」にそれぞれ含まれますし、さらに抽象度を上げるとそれは「哺乳類」に含まれますし、さらに抽象度を上げるとそれは「動物」に含まれる、というような、更に上の概念で表すことを言います。
このように、抽象度を上げる訓練を日頃から続けていれば、自分に入ってきた言語空間からの情報を抽象化し、その情報が要するにどのような意味を持つのか、ということを考えることができるようになり、その情報から解放されると言います。
そして、この情報が要するにどのような意味を持つのかを考えるために抽象度を上げるという方法は、まさに物事の本質をつかむためのプロセスである、と言えると思います。
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